二年の歳月を経て遂に秘蔵車が復活した。

1968年式ホンダCB93改(160cc)に跨り慣らしを兼ねて
長野県は渋温泉まで久々のロングツーリングだ。

エンジンを積み替えてあるとはいえピンクナンバーのため
高速道路を走ることは出来ない。ただひたすら渋滞の続く
18号を北上する。まだ昇り切らない朝日が目に沁みる。

都会の喧騒を抜け空気が澄んできた頃、6時間掛けて友
人との待ち合わせ場所である軽井沢駅南口に到着した。

高速で向かったはずの友人はナント2時間も遅刻・・・怒り
を静めつつ路肩で車両のチェックと整備・・・そして転寝。

合流し信州蕎麦を楽しんだ後は、秋の到来を感じさせる
肌寒い風を全身で受け止めつつマシンの感触を確かめな
がらゆっくりとアクセルを捻っていく。

白糸ハイランドウェイに木霊する40年も前の単車の遠吠え。
まるで傍に佇む浅間記念館の仲間に挨拶でもするかの様
に細く長く、硬質なホンダサウンドを響かせていった・・・

「あぁっ(悦)」



浅間から世界GPへの道


本店店長Y・S