エンツォ・フェラーリなど、日本人で唯一
フェラーリのデザインを手がけた奥山清行氏。
その奥山氏の著書「フェラーリと鉄瓶」は、
すでにハードカバーが発売されていましたが
最近、文庫になりました。




てっきりカーデザインについて解説しているのかと思いきや
著者が10年以上イタリアで生活していた経験から、
半分くらいは、イタリア文化について紹介しています。

目次の最初は「あきらめの国、イタリア」。
ローマ帝国時代における階級社会の名残から、
いまでも一般庶民は機会平等ではないことを紹介します。
イタリア人独特の陽気さも、
そのあきらめの境地からくるものといえるそうです。

その他にも、「イタリア流のワインとコーヒーの飲み方」や
「イタリア男にマザコンが多い理由」など、
イタリア文化の本質を分かりやすく解説しています。

私自身、イタリアには1度いったことがありますが、
知らないことだらけで、ガイドブックにはない情報満載です。

後半では、デザインについて解説しています。
主な目次は下記のとおりです。

・イタリアのデザインがすばらしい理由
・カーデザイナーの仕事はデザインするだけではない
・フェラーリが高くても売れる理由
・クリエイティブであり続けるためにすべきこと

実際にフェラーリやマセラティのデザインを手がけただけに
説得力のある内容で、シンプルなデザインほど
難しいものはないといいます。

カーデザインについての書籍は、下記もお勧めです。

ピニンファリーナを創る人々


Design by Mercedes Benz



最後に、著書のタイトルがなぜフェラーリと「鉄瓶」なのか。
これについてはぜひ本書をご覧になってご確認ください。

仕入担当:K.F