Category: クルマ
日本の輸入新車販売台数において最多を誇る(昨年8月現在)ブランド、フォルクスワーゲン。確かに、ゴルフ、ポロ、ニュービールといった独特の品格を漂わせる乗用車や、ワイルドな中にも凛とした表情を見せるティグアン、トゥアレグといった最新SUVを街で見かける機会は多い。しかし、私のようなバリバリ昭和30年オヤジ世代にとって、免許を取ってクルマに乗り始めた頃にフォルクスワーゲンと言えば、それはイコールビートルのことだった。小学生の頃に近所の開業医が往診に使っているのを見て、悪路をピョコピョコと跳ねながら必死で往診鞄を抱える看護婦さんがなんとも印象的であった。子供心に不思議なかたちだな、と思っていた”ワーゲン”は、いざ自分が免許を取るころにはすっかり遊び道具としてのもうひとつのポジションを獲得していた。そして、我々世代がまさにその世界を増幅させたと言っても過言ではないだろう。お手本はアメリカ。カリフォルニアのカスタムスタイルをなんとか日本でも楽しもうと必死だった。
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パリダカという言葉をあまり聞かなくなってから、もう何年も経ったような気がするのであります。1979年にスタートしたフランスのパリからセネガルのダカールまで、約12000kmにもおよぶスペシャルステージを走るラリーはそのあまりにも壮大なスケールが話題を呼んで、あっと言う間に広く一般にまで浸透しました。1981年からFIMとFIAの公認レースとなり、各メーカーが威信をかけて取り組む勝つための手段が激化する一方で、アフリカならではの政治的背景からくる危険な状況も目立つようになり、文字通りの世界一過酷なラリーのひとつであったのです。当時、私は既にフリーライターとしてでいくつかのバイク雑誌に携わっていたのですが、時折編集部に顔を見せる日本人の”パリダカライダー”は、何故かいつも爽やかで、いい意味でとりつかれた目をした、とても健康的な印象がありました。
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