DAKAR パリダカという言葉をあまり聞かなくなってから、もう何年も経ったような気がするのであります。1979年にスタートしたフランスのパリからセネガルのダカールまで、約12000kmにもおよぶスペシャルステージを走るラリーはそのあまりにも壮大なスケールが話題を呼んで、あっと言う間に広く一般にまで浸透しました。1981年からFIMとFIAの公認レースとなり、各メーカーが威信をかけて取り組む勝つための手段が激化する一方で、アフリカならではの政治的背景からくる危険な状況も目立つようになり、文字通りの世界一過酷なラリーのひとつであったのです。当時、私は既にフリーライターとしてでいくつかのバイク雑誌に携わっていたのですが、時折編集部に顔を見せる日本人の”パリダカライダー”は、何故かいつも爽やかで、いい意味でとりつかれた目をした、とても健康的な印象がありました。

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